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話し上手になる方法〜沈黙やシラけから脱却する!〜

話し上手になる方法〜沈黙やシラけから脱却する!〜

話し上手な人の周りには、人が集まる印象がありませんか?感じよく、魅力的な話の出来る人は、それだけで、人間関係において一歩も二歩もスタートラインが前にある感じがして、羨ましい限りです。

私自身は人見知りで、プレゼンテーションや接客などの場面では臆せず話せるのに、プライベートな場面になると何故か「話が続かない」「話しすぎて空回る」「話が伝わらない」という感じで、コミュニケーションが上手く取れないのが悩みでした。文筆を仕事にしていますから、文章が組み立てられないわけではないのです。それなのに、話が伝わらなかったり細部が食い違ったりすることもしばしば……。

そこで、コミュニケーションスキルの高い人の会話術って自分とはどこが違うのだろうと観察したり調べたりしてみたところ、いくつかのことがわかってきました。私と同じようにプライベートの会話が苦手な人にぜひ読んでいただきたいと思います。

会話の極意は“話さない”こと

「話し上手は聞き上手」という言葉があります。コミュニケーションが苦手でもうまく会話をするコツは、まさしくコレです。

「相手が話したいことを聞いて、相手が聞きたいことだけを話す」

それ以外は、話さなくてもいい。むしろ下手な話をしすぎるくらいなら黙っている方がマシです。

このことに気づいたとき、本当に腑に落ちました。話し下手の人なら誰でも経験があると思うのですが、自分のせいで場が白けてはいけないと頑張って話そうとして、収拾がつかなくなって空回り。これを私も繰り返していました。話をする基本的なスキルも身に付いていないのですから当たり前です。

話術に自信がなければ、相手が話したくなる状況を作ればいいのです。人間であれば誰でも、自慢や悩みなど、誰かに聞いてほしいことがあります。相手の方から話し出すのを待って、それに合わせて、感想や自分が知っていることを少しだけコメントする。もっと言うならば、「褒める」「驚く」「面白がる」「同調する」の4つの反応だけを駆使する。それだけで、大抵の場は円滑に回ります。

とはいえ、自分から何かを伝えなくてはならない場面というのを完全に避けるわけにもいきません。しかし、その場合にも、意識するべきことはそんなに多くはありません。

絶対に意識するべきポイントは2つ

会話をする際に大切なことは2つあります。この2つを守れば、少なくとも「伝わらない」「聞いてもらえない」ということがなくなります。その3つとは、簡潔さ/簡単さ/印象深さです。

【1】簡潔に話す

話すときには、テーマやキーワードなどの要点を明確にしましょう。枝葉の内容が多すぎると、話の主題がぼやけてしまって、相手に伝わりません。

また、報告などにおいては、「結論を頭に持ってくる」ことが大切です。結論を冒頭で伝えることで、相手が話の内容を把握でき、そのあとの話をやきもきしながら聞く必要がなくなります。

例えば、

「明日誘ってもらった件だけど、実は、家族が熱を出して看病をしないとならなくて…この数日様子を見ていたのだけれど、熱は下がったし元気そうだから、ぜひ参加させてね。」

と伝えるよりは、

「明日誘ってもらった件だけど、ぜひ参加させてね。実は家族が熱を出してどうなるかと思ったけれど、落ち着いてよかったわ~。」

と、頭に参加不参加の返事を持ってくる方が分かりやすいですよね。これならば、極端な話、始めさえ言えればあとは支離滅裂になっても最低限は伝えることができます。私も「始めに結論」を意識することで、伝えたいことを確実に伝えられるようになりました。

【2】分かりやすく話す

相手の立場にたってみて、分かりやすい言葉を選びましょう。相手が疎い分野の話題を持ち出すときには、専門用語を出来るだけ省いて、言い換えや例えで分かりやすく伝えるようにします。

例えば、年配の方にスマートフォンの説明を求められて、フォルダが~、アプリケーションが~、と何の前置きもなく話しても伝わりませんよね。分からない単語が出てくる話を延々と聞かされたら、誰だってうんざりして、聞く気をなくします。

後にも述べますが、分かりやすく話すためには、ボキャブラリー(語彙)を増やしておくことも大切です。

私の場合、以上の2点を意識することで、話をする際の「空回り」感はかなり軽減されてきました。

話が効果的に伝わっているかどうかは、相手の表情を見ていると何となくわかります。もしも不安になったら、時折「こんな説明でわかりますか?」と話の途中で尋ねてみてもいいと思います。伝えることに必死になりすぎて「ひとりよがり」「自分本位」になることを予防できます。

1歩進んで話し上手に

最低限、伝わる話し方が出来るようになると、次はやっぱり上手に話が出来るようになりたいと思うようになります。話が本当に上手な人を見ているとわかりますが、人を惹き付ける感じの良い話し方が出来る人には、いくつかの共通する要素が存在します。

▽豊富なボキャブラリー

話上手な人は、少ない言葉で効果的に伝えたいことを伝えることができます。豊富な語彙力で、的確な言葉を選んで話すことが出来るからです。言葉を知らないと、どうしても話が難解になったり回りくどくなってしまいます。

また、言葉の選び方ひとつで、話の印象が変わってしまったり、誤解を招く場合もあるので、ボキャブラリーを増やすというのは本当に重要です。ボキャブラリーを増やすには、読書をすることが一番です。私は元々活字の虫だったこともあり、この部分では大変助けられています。

他にも、映画やドラマ、ニュースなどの言い回しに気を配ることがボキャブラリーの強化には大変役に立ちます。気になる言葉、気に入った言い回しがあれば、実際に使ってみることで自分の語彙として身に付きますよ。

▽敬語を正しく理解する

敬語が乱れていると、どんなに要領よく話しても、目上の人に与える好感は半減してしまいます。相手によっては、人柄さえ悪い方に判断されてしまい、信用を無くしてしまうこともありますから、尊敬語、謙譲語、丁寧語は正しく理解して使えるようになりましょう。

▽空気を読む力

話すことに苦手意識があると、自分の話を聞かせることだけに意識がいって独りよがりになってしまうことはよくあることです。ですが、同じ内容の話でも、タイミングによって違った受け取られ方をすることがあります。いわゆる「空気読めない」「不謹慎」「TPOをわきまえない」といった状態です。

相手の状況や心理状態をきちんと判断し、話をしてもいいタイミングか、話の内容は適切かを考えることが、上手に話を伝えるポイントです。忙しいときに雑談を振られれば、話の内容にかかわらず聞き流したり苛立ったりしますよね。話す前に一度、自分の身に置き換えて考えてみましょう。

▽質問力

質問には2種類あります。返事がはい/いいえで完結する「クローズド・クエスチョン」と回答を考える必要がある「オープン・クエスチョン」です。話し上手な人はクローズド・クエスチョンをうまく使って、相手の話を引き出すことに長けています。

「○○は好きですか」と問うよりも「好きな食べ物は何ですか」と訊いた方が、話を広げやすいですよね。はい/いいえで話が終わってしまうと、次の話題探しに悩まなくてはならなくなります。

上手な話し方の4つの要素

話をより効果的に伝えるために必要な要素をまとめてみます。全てを気に留めながら話すと何となく大袈裟な感じがして始めは気恥ずかしいのですが、そのくらいの方が相手にはよく伝わります。

【1】速さ

早口になったり、逆に極端に遅かったりする話し方は、聞き取りにくく意味を理解しにくいものです。話題の肝はゆっくりと、それ以外は比較的速くと緩急をつけて話すことで、聞き手を惹き付けることができます。

【2】声のトーン

話の内容と声のトーンを合わせると、話に聞き手を引き込むことができます。楽しい話は高めに、悲しい話や恐ろしい話は低めに話すことを心がけましょう。

【3】視線

話すとき、視線をどこに向けるかで与える印象が変わります。

目を伏せて話すと自信なさげに映り、説得力がなくなります。相手から目線を外して話すと、相手の表情が見えず、話に興味を持ってもらえているか、理解を得られているかを判断することができません。

一方で相手をじっと見つめすぎると、威圧感や緊張感を与える可能性があり、異性に対しては思わぬ誤解を招く場合もあります。また無意識に目を細める癖のある人がいますが、睨みつけていると勘違いされる危険があるため、意識しておきましょう。

要所要所では相手の目をしっかり見ることが必要ですが、程よく視線を外して和やかな雰囲気を作るよう意識しましょう。

【4】間

話が途切れることを悪と考え、次々と話題を持ち出してだらだらと切れ目なく話す人がいます。これだと、最終的に何が話の要点だったのか、聞き手の印象に残らないことも。

難解な話をする場合や説得力を必要とする場合は特に、適度な間をとって要点を強調したり、相手に情報を整理する余裕を与えることが大切です。

これらの要素をうまくコントロールできるようになると、雑談でもプレゼンテーションでもどんな場面でも応用が効きます。初めは難しいかも知れませんが、私は、初対面の人に対して少しずつ実践してみるようにしました。(職場などで急に態度を変えるのが恥ずかしかったからです)そのうちに、わざとらしくなく、自然と聞き手を意識しながら話が出来るようになりました。

■苦手意識を捨てましょう

会話が苦手だと、人の集まる場などに出るのが本当に苦痛ですよね。ですが、始めに書いたように、積極的に会話を持ちかける必要はないのです。話したい相手の話をしっかりと聞いてあげて、相手の望む反応を返すこと。これだけできれば最低限、反感を買わないコミュニケーションを取ることができます。

そうやって場数をこなしていけば、段々と人と接することに対する苦手意識が薄れていきますから、そうなればしめたもの。少しずつ、話す方の力も身に付けていきましょう。会話力が身に付けば、人脈作りや信頼関係を築くための大きな武器になりますよ。

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